2021.05.21 Friday
「交響曲第8番」ラトル指揮ベルリンフィル 2015年録音 SACD
【３２】
指揮：サイモン・ラトル
演奏：ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
演奏時間：0:25:08
録音：2015年10月8日、14日 フィルハーモニー ライブ
ディスクNo.KKC 5925/9
レーベル：キングインターナショナル
解像感 ★★★★☆
レンジ感 ★★★★☆
定位感 ★★★★☆
サラウンド感 ★★★★
今回の紹介がベートーヴェン交響曲第8番の最後になるもの。
32回を数えてしまった。第8番だったから32回で済んだが、第9などであればさらに回数が増えていた。
したがって、私が所有しているベートーヴェンの交響曲では最新録音のもの。
SACDハイブリッドディスクで、マルチチャンネル収録(5.0ch)。
ベルリンフィルのオリジナル録音。
ベルリンフィルの配信サイト、デジタルコンサートホール(DCH)で聴くこともできるが、聴いてみて、やはりデータレートが高いせいもあり、こちらが圧倒的に高音質。
さらにマルチチャンネルも聞くことができるので、ディスクで購入すべきというものと思います。（DCHは2チャンネルステレオのみ）
音は、ホールトーンが豊かで残響が長く感じる。同じフィルハーモニーで録音された他の演奏のディスクよりも目立つ。
意図があってのことなんだろうが、ちょっと響きすぎかなと思う。
低音が豊かでコントラバス、ティンパニが主張している。
2chも聞いてみたがサラウンド音声は特にホールトーンが目立っている。
奥行き感もあり、フィルハーモニーの中の雰囲気がイメージできる。
それはDCHで映像で見ていた恩恵か。
定位もよい。
演奏はうまさが際立つ。また昔の演奏と違い、ラトルならではの柔らかさがよく感じられる。
硬いベートーヴェンではなく滋味あるベートーヴェンといったところか。
2021.05.18 Tuesday
「交響曲第8番」ライスキ指揮ポーランド室内フィル 2009年録音 SACD
【３１】
指揮：ヴォイチェフ・ライスキ
演奏：ポーランド室内フィルハーモニー管弦楽団
演奏時間：0:25:02
録音：2009年9月12日 ポーランド、グダンスク、聖ヨハネ教会
セッション
ディスクNo.TACET149
レーベル：TACET
解像感 ★★★★☆
レンジ感 ★★★★☆
定位感 ★★★★☆
サラウンド感 ★★★★★
SACDハイブリッドディスク、マルチチャンネル収録5.0ch。
このレーベル、TACETは独特のマルチチャンネル音声を収録している。
音は360°全周囲、各楽器が全周に配置されている。
(室内楽などは楽器ごとに各スピーカーが充てられていることもある）
ライナーノーツにはその楽器の配置がキチンと記載されており、曲ごとに配置が若干異なるが、この8番ではこの図の通り。
普通にホールで聴くのとは違い、このサラウンド配置で聴くのも面白い。違う世界が味わえる。
ホールトーンは多めで残響時間も長い。教会で録音している影響なのかもしれない。
録音風景もライナーノーツに記載あり、大きな教会での録音。
ただ楽器配置は通常の配置であり、マスタリングの段階でリアに楽器を積極的に配置させていることがわかる。
楽器は各5本のスピーカーの間に配置されることもあり、フロントの楽器定位イメージが全周に広がったもの。かえってフロントのL,C,Rでの定位よりもリアの楽器の定位のほうがリアルに感じる。
低音は多めでレンジが広い。ただ、全体的にもう少し、音のスピード感が欲しい。
演奏はテンポが速め、現代古楽器による演奏に近い演奏スタイル。
2021.05.16 Sunday
「交響曲第8番」ヘレベッヘ指揮ロイヤルフランダースフィル 2007年録音 SACD
【３０】
指揮：フィリップ・ヘレヴェッヘ
演奏：ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団
演奏時間：0:23:40
録音：2007年6月4日 フリッツ・フィリップス・ミュージックセンター セッション
ディスクNo.PTC5186316
レーベル：Pentatone
解像感 ★★★★☆
レンジ感 ★★★★☆
定位感 ★★★★☆
サラウンド感 ★★★★☆
SACDハイブリッドディスク、マルチチャンネル収録4.0ch(センター無し)
Philipsエンジニアの流れをもつPentatoneの初期の録音。
このディスクは2chでも聞いたが、マルチチャンネル、サラウンド環境で聴くべきディスク。
リア成分はホールトーンが主だが、演奏空間の広がり、空間が音で満たされるところを十分感じることができる。
演奏自体は早めのテンポ。音の立ち上がり、立下りの切れが良く、演奏が制御されていることがよくわかるし、そのように録音されている。
弦楽器の繊細さがよく表現されている。
SACDらしさも十分感じ取ることができ、SACDで聴いていてよかったと思うことができる。
マルチチャンネルだと定位感が損なわれる録音、ディスクもあるがこのディスクは定位もしっかり表現できている。
Pentatoneの録音、ディスク製作の良さがよくわかる。Pentatone一連の音の良さが、このディスクでも味わえる。
2021.05.13 Thursday
「交響曲第8番」ハイティンク指揮ロンドン響 2006年録音 SACD
【２９】
指揮：ベルナルド・ハイティンク
演奏：ロンドン交響楽団
演奏時間：0:24:48
録音：2006年4月24日、25日 バービカンホール ライブ
ディスクNo.LSO0598
レーベル：LSO Live
解像感 ★★★★
レンジ感 ★★★★☆
定位感 ★★★★☆
サラウンド感 ★★★★
SACDハイブリッドディスク。マルチチャンネルはサブウーファーなしの5.0ch。
LSOによる自身のレーベルによるSACDハイブリッドディスクですが、この録音で共通しているのが、なにか解像感が少ないというか、弦楽器の繊細さ、分離感が不足していると感じる。
SACDならではの繊細感が不足しており、もったいない。
サラウンドのリアの音はホールトーンである残響成分が少し(抑え気味)。
リアの積極的な音作りは感じられない。
さらに音が良ければ、このLSOレーベルもいいのだが・・・
レンジは低音が少し、多め。ただ、低音が覆いかぶさっているわけではない。
定位は特段優れているというわけではないが、そこそこ。
演奏自体は、これがハイティンクの演奏なんでしょう、という感じでスタンダード。
2021.05.11 Tuesday
「交響曲第8番」パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツカンマーフィル 2004年録音 SACD
【２８】
指揮：パーヴォ・ヤルヴィ
演奏：ドイツカンマーフィルハーモニー
演奏時間：0:24:08
録音：2004年8月26-28日 フンクハウス・ケーベヒック
（旧スコーリング・ステージ） セッション
ディスクNo.88697 00655 2
レーベル：RCA
解像感 ★★★★
レンジ感 ★★★★☆
定位感 ★★★★☆
サラウンド感 ★★★★☆
SACDハイブリッドディスク。マルチチャンネルはサブウーファーなし5.0ch
他の演奏のディスクと違い、一聴してコントラバスやティンパニの低音成分が全体にかぶってきている。
スピーカーの低音再生能力の問題もあるが、迫力を出すための低音というよりも低音過多と思われる。
そのため、高音がマスクされてしまい、解像感が損なわれている。
一方、弦楽器のサラウンドによる包まれ感はよく表現されている。
奥行き感があり、ホールの中での演奏している風景が感じ取れる。
ホールトーンは多め、これはリアからの音が多い。
演奏は発売当時(2006年ころ) ,話題になった弦楽器のビブラートが少ない演奏であり、テンポは速く、パーヴォ・ヤルヴィらしさが聴くことができる。
彼の個性が強く出ており、今まで聞いてきた指揮者の演奏とは異なることをはっきりと印象付けられる。
2021.05.09 Sunday
「交響曲第8番」朝比奈隆指揮大阪フィル 1997年録音 SACD
【２７】
指揮：朝比奈隆
演奏：大阪フィルハーモニー交響楽団
演奏時間：0:30:00
録音：1997年5月25日 シンフォニーホール ライブ
ディスクNo.POCL60024
レーベル：ポニーキャニオン
解像感 ★★★★
レンジ感 ★★★★
定位感 ★★★★☆
サラウンド感 ★★★☆
SACDハイブリッドディスク。マルチチャンネルは4.0chでセンター無し。
1997年の録音であるため、もともとPCM2chでの録音からのマルチ・リア成分を生成してのマルチ化なのではないだろか。
ライナーノーツにはそこは起債ないため、あくまで推測。
リアの音はかすか、申し訳程度になっている印象。ホールトーンも少なく、音としての評価は厳しい。
フロントを含めた音の印象はCDの器のままの音。
SACDまでの解像度、繊細は感じられない。
演奏はゆったりとしたテンポでのライブ録音。朝比奈隆の演奏は多くCD化されており聴く機会もあるが、一定の世界感がいろいろな演奏を通じて生きているようです。
その世界観はこの曲の場合も同じです。
ただ一言、むりやりSACDして出す価値があるのか？・・・・2007年ころの発売ですが、SACDにすれば私のような人間が飛びつくと思われていたんでしょう。
もっと優れた録音のSACDがあるのかもしれないが、これを聞いた後には深堀する気が失せました。
2021.05.07 Friday
「交響曲第8番」チェリビダッケ指揮ミュンヘンフィル 1995年録音 CD
【２６】
指揮：セルジュ・チェリビダッケ
演奏：ミュンヘンフィルハーモニック管弦楽団
録音：1995年1月4日 ミュンヘンフィルハーモニー ライブ
ディスクNo.7243 5 56841 2 7
レーベル：EMI
解像感 ★★★★☆
レンジ感 ★★★★☆
定位感 ★★★★☆
チェリビダッケ指揮のライブ録音。
ライブ録音の割には楽器のそれぞれの音が克明に記録されているのが感じられる。
ホールトーンは少な目。
放送局による録音のせいなのか、きちんと録音がされているのがわかる。
ＥＭＩがチェリビダッケのライブ録音をまとめて発売された時のディスクであるが、このくらいの高音質でのディスクとなれば、記録アーカイブとしての価値も十分。
チェリビダッケの録音としては新しい1995年のもの。
低音はドロドロした音にはならない。ただ、奥行き感は感じられない。
演奏はチェリビダッケの世界の音楽。しかしこれできちんと録音されいるのは貴重。
ライブであるがオーケストラの演奏も雑にはならず終演まで緊張感が持続されている。
2021.05.04 Tuesday
アナログレコード周りの話題 調整とレコード
なかなかベートーヴェンの交響曲第8番の聴き比べが終わらない中ですが、ここ最近レコードプレーヤー、ターンテーブルに手を入れ、大きくい音が良くなったので記録しておこうと思います。
アナログレコードプレーヤー、ターンテーブルとも言いますが、ヤマハGT-2000に、ヤマハのYSA-2ストレートタイプのアーム、カートリッジはデノンDL-103R,フォノイコライザーはPhasemationE-200を組み合わせて使っています。
ですが、なんとも音が生き生きしなく、聴いていて楽しくなかったのです。
音が死んでいるというか、干からびているような音で、クラシックだけでなくポップスのレコードを聴いても、ダメなんです。
そこでいろいろ調整し、楽しく生き生きとなるようになったので、順を追って書いていきます。
１．足回りの交換
GT-2000は以前、純正のゴム足から、BDR（Black Diamond Racing）のカーボンによるピラミッドコーンにして、それを無印のカーボンプレートで受けていました。
今回、BDRのカーボンからWIndbellに変更しました。
Windbellはスプリングタイプのインシュレータ。回転機器用のAVC-50を使ってみました。
もともｔこれを使ってみようと思ったのは評判もいいことながら、ヤマハの新プレーヤーGT-5000に採用されていると聞いたためです。
これは6�丶佞離椒襯箸砲茲辰督樟�GT-2000の足用の穴に取り付けることができます。
大きさも純正のゴム足と同じような高さ。
実際に取り付けてみると、GT-2000にぴったりでした。
交換後早速聞いてみましたが、すぐに音の変化は感じ取れず、そのまま2週間ほど聞き続けた結果、変わりましたね！！
ノイズレベルが一段下がり静けさが増しました。
それにより背景が広がったような感覚がしました。
これはいいですね、評判が良いのもうなずけます。
２．ターンテーブルシート
今まではターンテーブルシートは純正のゴムシートからオヤイデMJ-12を使っていました。
そういえば、昔MJ-12と同時に購入したオヤイデのBR-ONEが使われず放置しているのを思い出しました。
昔使ってみたのですが、あまりよい変化がなかったのです。
今回、環境も異なったし試しに使ってみることにしました。
BR-ONEは先のMJ-12の下に敷いて、ターンテーブルとMJ-12とサンドイッチになります。
聴いてみるとこれもはっきりとわかりました。低音がよく出てくるといわれていますが、うちの場合は低音だけでなく高音もストレスなく出てレンジが広くなったように感じます。
３．スタビライザー
今までスタビライザーはオヤイデのSTB-MSを使っています。これは中の重り6個を調整することができるのですが、6個から3個に減らしたところ、音が生き生きと鳴るようになりました。
MJ-12の取説にはスタビライザーは300g以上のものを推奨、とありましたので今回重量を計測してみると、330g。ちょうどいいところです。
いろいろ調整してみるものですね。
以上のような調整をしたところ、見違えるように音が変わりレコードど聴くのが楽しくなりました。
もう、毎日聞いています。
その影響からか新たにレコードも買い始めました。
まずは大瀧詠一のレコード2点。
この春にリマスターして発売されたもの。
初めて発売された当時のLPは持っていなくて、いつかほしいなと思っていたところ、ちょうど発売のアナウンス。
すぐに手に入れました。
音いいですね。大瀧詠一の非常にこだわった音作りがよーくわかります。
折に触れて聴いています。
次はABBA.
これもアナログレコードかCDを探していたところ、40周年記念盤として発売されたLP
LPが新品で手に入りました。
聴くとあの時に戻ります。
音が悪くはないのですが、非常にいいというわけではありません・
ですが、思い出のLPです。
そして
少し前に、CDは手に入れていたのですが、LPもあることがわかり、新品で手に入れることができました。
CDとは違う音の良さがあります。
今回アナログターンテーブル廻りを調整して、この盤もよく鳴っています。
よかったです。
解像度もある代わりに音の厚みがあります。
これらのLPは、まずはそのまま聞いていたのですが、何となく薄皮1枚かぶっているような気がして、VPIで洗浄してみました。
そうしたら、洗浄して正解。薄皮がはがれてさらにクリアに聞こえます。
新品のレコードもやはり洗浄したほうがよかったです。
というところで、こんな感じでアナログの楽しみが増えています。
アナログは手を入れることにより簡単に音が変わり、よくなりことがよくわかりました。
ですので、この楽しみに取りつかれてアナログにはまる人がいるんでしょうね。
特にレコードに近いところから手を入れるのが効果的なこともよくわかりました。
となれば、次はカートリッジか、フォノイコかですね。
これは悩みそうです。
2021.05.04 Tuesday
「交響曲第8番」ブリュッヘン指揮18世紀オケ 1989年録音 SACD
【２５】
指揮：フランス・ブリュッヘン
演奏：18世紀オーケストラ
演奏時間：0:23:43
録音：1989年11月 ブレデンブルグ セッション
ディスクNo.ESSD-90233/7
レーベル：DECCA/ESOTERIC
解像感 ★★★★☆
レンジ感 ★★★★☆
定位感 ★★★★☆
ESOTERICのSACD名盤シリーズ。2020年発売の新しい盤。
SACDは2chのみ。もともとオリジナルはデジタル録音16bit、44.1kHz。
そこから24bit96kHzへアップコンバートし、DSD変換してからのSACDディスク。
オリジナルのCDは聞いたことがないので、このSACDだけの音声で判断した。
アップコンバートすると音の勢いやリアル感、生々しさが薄くなるということを聞くが、この盤の音を聞く限りはそのようなことを感じない。
ただし、繊細なSACDらしさは少ない。
ただ、この音の傾向と古楽器の組合せは合っているのではないか。
個人的には気に入った。
音の立ち上がり、立下りが明確であり、スピードが感じられる音。
SNもよく、ホールトーンである残響も聞くことができ、悪くない。
残響も過多にはなっていない。
古楽器の音の特徴がよくわかる。演奏は繊細な弱音も表現がうまく、アンサンブルも上手。楽器間のバランスも良い。
ESOTERICではデジタル16ビット44.1MHzのPCM録音からアップコンバートされたSACDもリリースされてきているが、結局は結果であるその盤の音に基づいて評価されるべきと思う。
歴史的な音源を無理やりSACDとするよりはこちらのほうを支持したい。
